読書量が10倍に!読書の習慣化に読書会が役立つ4つの理由とは

月に10~15冊の本を読んでいるライターの川瀬です。

読書をすることで、さまざまな知識やノウハウを身につけられる、想像力を磨ける、アイディアのもとを蓄積できるなど多くの効果が期待できます。
しかし、「本を読む時間を取れない」「つい他の趣味や遊びを優先してしまう」といったように、習慣化ができない方も多いのではないでしょうか?
私自身、以前は年に10冊ほど読むのがやっと…という時期がありました。ですが、7年前に読書会に参加するようになったのがきっかけで、読書量は10倍以上に増加。年間100冊以上の読書をずっと継続できています。
実体験をもとに、なぜ読書の習慣化に読書会が役立つのか、詳しくご紹介します。

そもそも読書会とは何か

読書会とは、本を題材にコミュニケーションをする会のことで、大きく分けると「課題本型読書会」「紹介型読書会」の2種類があります。リアルに会場に集まって行う場合もあれば、Zoomなどを使いオンラインで行う場合もあります。

・課題本型読書会
決められた課題本を事前に各自で読んできて感想を話し合うスタイルの読書会です。

・紹介型読書会は、
各自おすすめ本を用意して他の参加者にプレゼンするスタイルの読書会です。

その他、会場やオンラインで集まってそれぞれ読書する読書会や、課題本を題材にワークショップを行う読書会など、さまざまなタイプの読書会があります。
この記事では、私がメインで参加している課題本型読書会について説明します。

読書をする必要性が生まれる

普段は読書をしない人でも、会社から仕事の一環として本を読んで感想を提出するように指示されたとしたら、なんとか読了できるのでないでしょうか?
読書が習慣化できない理由としては、「本を読まなくても困らない」「必要性をさほど感じない」というのが非常に大きいと思います。
読書会に申し込むことで、読書会に参加するために本を読むという明確な目的や必要性が生まれます。さらに、わざわざ読書会のためにスケジュールを開け、参加費用を支払うことで、コストを無駄にしたくないという意識が働き、普段なら挫折してしまう方でも読了しやすくなります。
読書会に参加しているうちに友達ができると、「読書会に参加して友達と話したい」という強力なモチベーションが生まれるので、さらに習慣化が進みます。

締め切り効果がある

普通に読書をする場合は、締め切りがない場合がほとんどです。そうすると「時間に余裕のある時にじっくり読もう」といったようについ後回しにしてしまい、全く読書が進みません。
これはその人の意思が特別弱いわけではなく、多くの人に共通して起きる現象です。イギリスの歴史・政治学者であるパーキンソンが、著書『パーキンソンの法則:進歩の追求』のなかで下記のように述べています。

 「仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する」 

つまり5時間与えられてある作業をすることになった場合、例え3時間でできる作業であっても、人間は5時間ぎりぎりまで時間を使ってしまうということを指します。
読書にあてはめると、締め切りがなく無限に時間があるせいでいつまでも読了できないまま…ということになりますね。
逆に締め切りがあれば、本を読了できる可能性は高くなります。それまで全く進まなかった仕事や勉強が、締め切り間近になって驚くほどスピーディーに進んだ経験がある方も多いのではないでしょうか?
課題本読書会に申し込むことで明確な締め切りができ、読了できる可能性はアップし、読書スピードも速くなります。分厚い本や難しい本といった挫折しやすい本を読むときほど、この締め切り効果の力を借りるのをおすすめします。

読書のリズムが作れる

頑張って一冊本を読み切ったものの、読書の習慣が定着しなかった…という経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか?もちろん一冊読了したのは素晴らしいことですが、せっかくなら習慣化したいところです。
習慣化を実現するには、何度も繰り返すことにより、脳にその行動を記憶させパターン化することが重要だとされています。「毎月1回読書会に参加する」と決めて何回か続けて参加すれば、自然と「毎月本を1冊読んで読書会に参加する」リズムが生まれます。
月1冊ペースで本を読むのを続けられたのなら、読書の習慣化は成功です。少しずつ読む冊数を増やしたり、ジャンルを広げていったりして、さらに読書をしていくのもおすすめです。
参加する読書会を増やすのも、読書量をアップする方法のひとつです。私は現在、月に4回読書会に参加することで、忙しいときでも最低週1冊は本を読めています。

次に読むべき本が分かる

読書を習慣化できない理由のひとつとして、どんな本を読めばよいか分からないことがあげられます。膨大な本から優れた本を探すのは、簡単ではありません。特に読書をあまりしない人にとっては、情報を集めて選ぶだけでも労力が大きく、挫折の原因となります。
課題本型読書会の場合は、その回ごとに課題本が指定されているので、自分で選ぶ必要がありません。例えば、月1回のペースで参加すると、自分で本を選ぶことなく年間12冊の本を読めます。
ひとつのジャンルに特化した読書会もあるので、特定のジャンルについての知識を深めたい方は、そちらがおすすめです。私の場合、哲学・思想系の本を取り扱う読書会に月1ペースで参加することにより、丸山眞男『日本の思想』やハンナ・アーレント『人間の条件』など、名著といわれる本を何冊も読了できました。ほとんど知識がないジャンルなので、読書会がなければ手に取ることすらなかったと思います。
また、読書会では課題本以外にも、読むべき本を見つけられます。

・課題本の関連本

難解な書籍を分かりやすく解説した解説本や同じ著者の本、課題本に影響を与えた本、課題本の影響を受けて書かれた本などです。関連本を読むことで、課題本への理解を深められるのはもちろん、ジャンルの周辺知識も得られます。読書会後はモチベーションが高まっているので、普段よりも読み進めやすいです。

・他の参加者のおすすめ本

読書会に集まる参加者は、たくさん読書をしている人が多く、分かりやすく内容も濃い良い本をおすすめしてくれる傾向にあります。私は読書会中に名前の出た本はメモをとって読書会後に検索し、Amazonの欲しいものリストに入れています。そうしておけば、読書しようと思ったらすぐに本を入手できます。

ご紹介したように、読書会は読書の習慣化に非常に役立ちます。「本を読みたいけれど、いつも挫折してしまう…」という方は、ぜひ一度読書会に参加してみてください。
最初は緊張するもしれませんが、「本について人と話したい」と思っている人ばかりなので、和やかな雰囲気の会がほとんどです。上手に活用して読書を習慣化しましょう。

【参考文献】

パーキンソンの法則とは・意味|グロービス経営大学院

勉強を習慣化するコツとは? 習慣を武器にする方法を紹介|個別指導 明光義塾