歯磨きは習慣化できるのに、なぜ他のことは続かないのか?

与那覇(@kazufumi478)です。

歯磨きには「習慣化のヒント」が多くありそうと思ったので、今回は歯磨きについて書いていきます。

考えた背景

歯磨きは無意識レベルで毎日続けられるのに、ダイエットや学習は継続が難しい……。そこで、歯磨きとそれ以外の差(習慣化「できること」と「できないこと」の違い)を明らかにしたいと考えました。

まずは、歯磨きが続く理由から探っていきます。

歯磨きしないと虫歯になる(嫌な未来の回避)

虫歯ってどうしようもなく痛いですよね。歯医者独特の音の中で治療を受けるのも嫌です。

歯磨きをしないと虫歯になる、当たり前のことかもしれませんが、嫌な未来が明確にイメージできてその未来を回避するために、毎日、意識しなくても歯磨きが続いているのではないでしょうか。

歯磨きするとスッキリする(理想の未来の獲得)

ご飯のあと、口の中をスッキリさせるために歯を磨いています。これは虫歯を予防するためというよりは、気分転換をする(ある種の報酬)を得るためではないかと考えています。そして、ご飯のあとに誰かと会う場合は、相手へのマナーとして磨いている側面もあります。

歯磨きのタイミングが決まっている(決断の省エネ)

歯磨きは、ご飯のあとや人と会う前、眠る前など特定の行動の前後で行うことがほとんどです。(日常生活の中で「〇〇したら〇〇するランキング」があるとすると、歯磨きはおそらく上位にランクインしています。)

タイミングが決まっているので、いつ、どこで、やろうかなと考える必要がなく、決断の省エネができています。

失敗するリスクがない(コンフォートゾーン)

歯磨きをする前に「失敗したらどうしよう…」と不安になることはないと思います。(こちらを書いている途中に、思い出したのですが、私はたまに歯磨き粉が喉に入り「オエッ」となります。失敗していますね……。)

短時間で終わる(自由な時間の確保)

ある調査によると、1回の歯磨き時間の平均は1-3分が最多5割で、次に多いのが3~5分で約3割だったそうです。朝・昼・晩、それぞれ磨いたとしても1日15分で終わります。

短時間で終わることで、その他の時間を圧迫することはありません。

そして、毎日、短時間を重ねるだけで虫歯を防ぎ、歯医者さんで治療を行う必要がなくなることも、結果的に自由な時間が増えているのではないでしょうか。

歯磨きの習慣化ポイントと自分の挫折を照らし合わせてみる

続いて、習慣化しづらいこと(挫折要素)について考えていきます。

以前、私が習慣化に失敗したダイエットを歯磨きの習慣化ポイントに照らし合わせてみました。

歯磨きの習慣化ポイントと照らし合わせた画像

自由な時間の確保の“ダイエットにどのくらい時間をかけるかは意識せず”以外は、ダイエットに成功しそう…な感じがするかもしれません。

実は、ダイエット中、本音ではこんなことを考えていました。

歯磨き習慣化ポイントと照らし合わせた画像(本音)

結局のところ、心の中の本音という悪魔に支配され(悪魔のせいにしていますが、100%自分の責任です)ダイエット中なのにご飯の大盛りや甘いものをたくさん食べていました。

そんなこんなで5年で10キロ太りました。
※現在は10キロ痩せることができ、日々運動と食事管理を楽しんでいます。その件は、また別の機会に書きたいと思います。

人間は本当に手に入れたい未来(または避けたい未来)じゃないと行動に移せない

偽りの理想の壁

ダイエットに失敗した理由は、嫌な未来が本当はそこまで嫌ではなかった(虫歯が嫌なレベルでイメージできなかった)のと、理想の未来を別の手段で獲得できるのであれば、人間は(すみません、私は)そちらを選んでしまっていたということです。そもそも、理想の未来が本当に理想だったかもあやしいです……。

他にも、ジムの頻度決めやダイエットにどのくらいの時間をかけるのかなども、本当に手に入れたい未来と避けたい未来が曖昧だったために、それ以上に掘り下げて考えることをやめていました。

ただでさえ、新たな習慣を身につけるのはハードルが高いのに、自分が心から欲していない未来に、さまざまなリソースを投下するのは正直しんどいですよね。

だからこそ、歯磨きレベルで「それをしなかったらどうなるか」「継続したらどうなるか」「それはいつどこでどのくらいやるのか」をイメージすることが大事なのではないかと思いました。

ここまで、歯磨きは習慣化の王様のような温度感で書いてきましたが、実は第1次世界大戦当時のアメリカでは歯を磨く習慣がほとんど浸透しておらず、人々は虫歯に悩まされていたそうです。

その際、ペプソデントという歯磨き粉の広告を任されたコピーライターのクロード・ホプキンス氏が、ペプソデントを使用することで「歯の表面のザラザラした膜(虫歯の原因)を取り去る」キッカケと「歯が美しくなる」報酬のふたつを重ねて宣伝したことで、ペプソデントは爆発的に売れ、全米に”毎日歯を磨く習慣”が広がっていったそうです。

歯磨きから得た習慣化のヒント

まとめると、習慣化に挫折してしまう理由は、歯磨きレベルで「未来の想像ができていないから」と「いつ・どこで・どのくらいやるか」を決めていないから。なのではないかと、思いました。

どちらも、習慣化できた状態の解像度を高くすることに繋がりますね。

新たな習慣化にチャレンジする際は、このふたつのポイントをおさえられているかを意識したいと思います。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

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参考文献

・チャールズ デュヒッグ、『習慣の力』〔新版〕(ハヤカワ・ノンフィクション文庫)(2019/7/4)

今気になっているテーマ

・歯磨きレベルで「未来を想像」するためにはどうしたら良いか
・最初はうまく行かなくても(チャレンジするのがこわくても)徐々に楽しくなるのは何がきっかけになっているのか
・自分で自分のご機嫌をとる方法
・環境に慣れると奇抜なアイデアは出づらくなるのか
・1日やりきったを積み重ねると1年後にはどうなっているのか
・日常の意味付けで習慣化が面白くなるのではないか